FPJP編集部
年金の基本
年金についてまず知っておかないといけないのは年金はあくまで保険であって老いてから必ず掛け金以上のお金を支給してもらって生活を保障してくれるものでないという点を意識しないといけないというのがあります。
年金の基本は助け合いであり掛け金が将来何倍にもなって返ってきてお得だからと思って良いものではないのです。
そこの認識を誤っている人が多いので年金に対して多くの人が疑いの目を持ってしまっているようです。
あくまで年金は健康保険と同じようなものとして考えるのが良いのではないでしょうか。
年金の種類と保険料
年金には大きく分けて3種類あり、それぞれを重複して受け取れることから「3階建て」と表現されることが多いです。
国民年金
まず1階部分の国民年金についてです。
国民年金と聞くと多くの人が自営業者が加入している年金であって会社勤めの自分には関係ないと思っています。確かに会社で働いている人が加入しているのは厚生年金ですが、それは厚生年金と国民年金部分の両方を払っているというのが正しい認識です。
会社勤めだとしても自営業でも国民年金の掛け金を払っている事に変わりはありません。
国民年金の保険料
また国民年金の保険料は、一律でみんな同じ額となっています。
年度毎に決まるようになっており、平成30年度は16,340円となっています(平成30年4月〜平成31年3月末)
厚生年金
続いて2階部分の厚生年金です。
厚生年金に入っている人がよく厚生年金の掛け金は国民年金よりも高いので不満を持たれていることがあります。しかし、それは誤った認識になります。
なぜなら厚生年金に加入している人は将来厚生年金部分と国民年金に当たる部分の両方の年金を受け取る事ができるからです。
国民年金に加入している人とは根本的に違い、2階建て部分も受給できる権利を得られるわけですので、そのことを正しく認識していないと、高い保険料を払っているだけのように感じてしまいますからご注意ください。
厚生年金の保険料
厚生年金の保険料は、収入によって異なります。ただし会社が半分を負担してくれているので、実際に給与明細に記載のある社会保険料の天引き額の2倍を納めていることになります。
将来もらえる年金額は、この納付金額がもとになるわけなのでありがたい話と言えるかと思います。
共済年金
最後に3階部分の共済年金です。この部分まで受給できる方であれば、老後は比較的豊かな生活をイメージできるのかもしれません。
共済年金というのは公務員の方が加入している年金で共済年金に加入している人もたまに自分が加入している年金の保険料が高いと不満を漏らす事があります。
確かに厚生年金に加入している人と比べても保険料は高いです。
ですがそれは将来受け取れる年金に差があるからであって老後に受け取れる年金に差があれば当然保険料にも差が出るというわけです。
また共済年金の場合は厚生年金みたいに2階建て構造でなく3階建ての構造になっているのでそこを理解しているかどうかでかなり印象も変わってきます。
第◯号被保険者とは?
年金の話をする上で必ずでてくる「第◯号被保険者」という言葉について解説します。
第1号被保険者
第1号被保険者とは、自営業や学生・アルバイト・無職の方などがこれにあたります。
20歳になったら学生であっても加入する必要がありますので注意してください。
日本国内に住所のある20歳以上60歳未満の自営業者、農業・漁業者、学生および無職の方とその配偶者の方(厚生年金保険や共済組合等に加入しておらず第3号被保険者でない方)が第1号被保険者となります。
第2号被保険者
現役の会社員や公務員など厚生年金・共済組合に加入している人がこれにあたります。
厚生年金・共済組合の被保険者であると同時に自動的に国民年金の第2号被保険者となります。
第3号被保険者
第3号被保険者とはどういうものかと言うと分かりやすく言うと「会社員として働いている方に扶養されている配偶者」が第3号被保険者になります。
この第3号被保険者が第1号被保険者や第2号被保険者と決定的に違うのは被保険者でありながら保険料を払う事はない点です。
この場合は一応働いている人が配偶者の分も負担しているという形を取っているのでそのようになっています。
年金はどうやったらもらえる?
年金をもらう時には中には条件を満たせば自動で年金がもらえると思っている人もいますが、年金をもらうには年金保険料を払って支給条件を満たしてからさらに年金の請求をしないといけません。
保険料さえ払っていればそれで年金をもらえると思っていて、実際には請求をしないと年金は払われないのでご注意ください。
請求まですると、ようやく年金をもらえるようになります。
年金は本当に大丈夫なの?
また年金をもらえるかという点を気にしている人も多く問題視されています。ですが少なくとも年金が全くもらえないということは考えにくいようです。
理由としては、そのような暴挙に出れば日本はこれまでのような比較的大人しくしていた国民の怒りが一気に噴出して国の秩序自体危うくなります。
そんな事は政府も望まないはずなので日本という国がまともに機能している限りは年金が全くもらえないという事は考えにくいといったところです。
ただ国が年金で困っているのは確かですので、将来的にもらえる年金額が減らされたり支給開始時期が遅くなるのは覚悟しておいたほうが良いことなのかもしれません。
年金のまとめ
年金自体に不信感を持っている人は多いと思いますが払って損という事はないです。ただ中には今生活が苦しいのに年金の保険料を払っている余裕がないという人もいるかと思います。
そういう場合は無理に国民年金保険料を払わずに済む免除申請をするのがおすすめです。
それによってもちろんもらえる年金に差は出ますが、支払が苦しいからと言って滞納するよりは良いので払う余裕がない時は最寄りの年金事務所に行って免除申請をするのが賢明かとおもいます。