不動産の親子間売買についての質問です
kg7_1976(神奈川県)
解決済み 2011年09月02日親子間の不動産売買についてご相談させて下さい。
親の死後、(再婚した後妻と子供たちが)相続に関して揉めることのないよう、不動産だけは間違いなく長男に渡るようにしたいと思います。
遺言等も併用するつもりですが、遺留分でどうこう揉めることの無いよう、念のため不動産については相続時精算課税制度と、相続評価額が2500万円を超える部分は生前に売買して、所有権移転を完了させたいと思っております。
状況
・親が融資を受け土地・建物を購入、抵当権の設定がされている。
(融資の返済期間は、残り約10年)
・建物の2/3が自宅、1/3が事務所として利用されている。
(事務所部分は賃貸し、親は不動産収入あり)
・息子は他に自宅を持っていて、この不動産には親のみが住んでいる。
・親と息子は完全に独立した生計で、今はお互いにまったく干渉していない。
上記の不動産を、(非課税の2500万円分は)相続時精算課税制度の利用と、(それ以外の部分は)売買契約にて、息子に所有権を移転しようと思っています。
親子間売買ですので様々な制約がありそうですが下記のように行なおうと思います。
問題があるかどうか、ご指南いただけると幸いです。
1.売買価格は、土地・建物とも相続税評価額を下回らない程度の金額
(相続税路線価を0.8で割った程度の金額にはしようと思います)
2.きちんと収入印紙を貼り明確な売買契約書を取り交わし、代金は10年の分割払い。契約書には支払い金額・回数等を明記。
(生活費との混同を避けるため専用の口座を準備し、月々定額を子から親に支払う)
3.息子からの返済額の中から年に110万円以内の金額で、親から子への贈与を毎年行なう。
(こちらも明確に口座にて移動をする予定です)
問題は、抵当権が設定されているので、売買契約完了段階で名義を変更するには当然金融機関への相談が必要になるのですが、一般論で金融機関に相談したところ、新名義人の息子が連帯保証人になることが必要とのこと。
できればこれは避けたいです。
当然、支払いを滞納してしまった場合等はまずいのですが、今後も引き続き親がきちんと返済をしていくとして(滞納等がない場合)、息子に名義を移したことは何か問題になりますでしょうか。
また、返済中に親が死亡(あるいは高度障害)になった場合、通常であれば団体信用生命保険が適用され残債はなくなると思うのですが、その手続きの際に不動産の名義がすべて息子に移っていた場合、保険が下りないなどの大問題になってしまうことはあり得るのでしょうか。
たら、れば、の話で恐縮ですが、実際にはいかがなものでしょうか。
また、仮に問題なく上記の名義変更が問題なくできたとして、事務所への収入は息子の物になるので、事務所に賃貸している分の不動産所得は息子に確定申告をさせるつもりです。その際、息子名義の自宅部分に親が住む形になるので、わずかな家賃(月に2~3万程度)を息子に支払うことで、その収入に関しても確定申告を行ない、それにより事務所以外の2/3の自宅部分も、確定申告の際に減価償却できるようにしたいのですが、可能でしょうか。
実際には、金融機関への返済はこれまで通り親がする。
息子から親へは不動産売買の代金を毎月支払う。
さらに、親から子へは家賃を毎月支払う。
という感じで行ったりきたりですが、どれも書面で金額を明記し、それに合わせてきちんと支払いをしていくつもりです。
素人なりに色々と考えてみたのですが、いかがでしょうか。
およその筋道が立った時点で専門家に相談して手続きを進めたいと思っています。
ご指導よろしくお願い致します。
No.593
回答 3件
kg7_1976 さま
ファイナンシャルプランナーの土屋です。
各論については省略させていただき、前提についてのお話をさせていたます。
まず、今回の贈与、売買の目的は「後妻と子供たちが相続に関してもめることのないように、不動産だけは間違いなく長男に渡るようにしたい」と記載がありますが、
このスキームでは、不動産は長男に間違いなく渡りますが、もめる可能性を残す、ということになります。
なぜなら、相続時精算課税で贈与したとしても、遺産分割の対象にはなりませんが、特別受益ということで、遺留分の計算には含まれるからです。
さらに、相続時精算課税というのは、贈与時の評価で相続税の計算をするもので、一般的には確実に価値の減る建物にこれを使うのはとてももったいないです。
ただし、kg7_1976さまが相続税がかからない場合は話は別です。
もう計算されていたらいいですが、一度相続財産の評価を行い、相続税の試算をしてみてください。
最後に、kg7_1976 さまのスキームでは登記費用など非常にコストがかかります。もめることがなくかつ不動産は長男に、という目的のためだけであれば、そこまでコストや手間をかけずに、シンプルに遺留分に配慮した遺言を、できれば、相続の当事者に事前に知らせる形で作るので十分かと思います。
家族の状況や、資産の状況がわからないので一般的な話になり申し訳ありません。
具体的なことに関しては、税理士とともにコンサルティングをいたしますので、
よろしければお声をかけてください。
ファイナンシャルプランナーの土屋です。
各論については省略させていただき、前提についてのお話をさせていたます。
まず、今回の贈与、売買の目的は「後妻と子供たちが相続に関してもめることのないように、不動産だけは間違いなく長男に渡るようにしたい」と記載がありますが、
このスキームでは、不動産は長男に間違いなく渡りますが、もめる可能性を残す、ということになります。
なぜなら、相続時精算課税で贈与したとしても、遺産分割の対象にはなりませんが、特別受益ということで、遺留分の計算には含まれるからです。
さらに、相続時精算課税というのは、贈与時の評価で相続税の計算をするもので、一般的には確実に価値の減る建物にこれを使うのはとてももったいないです。
ただし、kg7_1976さまが相続税がかからない場合は話は別です。
もう計算されていたらいいですが、一度相続財産の評価を行い、相続税の試算をしてみてください。
最後に、kg7_1976 さまのスキームでは登記費用など非常にコストがかかります。もめることがなくかつ不動産は長男に、という目的のためだけであれば、そこまでコストや手間をかけずに、シンプルに遺留分に配慮した遺言を、できれば、相続の当事者に事前に知らせる形で作るので十分かと思います。
家族の状況や、資産の状況がわからないので一般的な話になり申し訳ありません。
具体的なことに関しては、税理士とともにコンサルティングをいたしますので、
よろしければお声をかけてください。
2011.09.03
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kg7_1976(神奈川)さま
こんにちは
福岡の県庁前FP事務所の前原ともうします。
主題の目的ですが『不動産だけは長男に渡るようにしたい』ということですね。
この一点に絞れば、対策としてまずは考えられるのはkg7_1976(神奈川)さまもあげておられる方法の2点があげられます。
すなわち、①相続時精算課税制度の利用、ないし②遺言書の作成、となるでしょう。
②の遺言書の作成での問題点ですが、ほとんどの皆さまが悩まれる問題点すなわち“遺留分の問題”があります。
⇒これは対策としては、遺言書に、まず一項に“当該不動産を長男に遺贈する”旨を記載し、そして二項(ないし三項)に“遺留分を侵害する分は現金をもって精算する”旨を記載しておけば問題は解決します。
さらに、通常では三項あたりに実際の遺言の内容の執行者を指定してこれを記載いたします。
例として専門家であれば弁護士・行政書士・司法書士・税理士などをここで指定しますが、仮に相続人であっても一応可能とはなっております。
①の相続時精算課税制度を使う方法は手っ取い早い方法の一つかといえます。
具体的方法としては、私もkg7_1976(神奈川)さまが考えれておられる通常の売買契約による方法とこの精算課税制度との両面作戦が無難な方法だと考えます。
但し注意すべき点があり一度特定の者に対して精算課税制度を適用してしまうとそれからは一般の贈与(暦年課税制度)の制度は使えなくなってしまう点です。
すなわちそれ以降ではkg7_1976(神奈川)さまが掲げておられます『3』による暦年贈与制度との併用方法はできなくなってしまうものと思われます。
それから、この制度の基本的性格はその名のとうり実際の相続時には精算しなければならない点がありますのでこれも検討しておく方をおすめいたします。
すなわち実際の相続時に精算課税財産も含めて(暦年課税贈与は前3年に限定されますが)相続財産全財産について計算しなおす仕組みとなっております。
また注意すべき点にかなり相続財産があるケースで配偶者以外に財産が渡るケースです。(そそもそもそれほどの相続財産がなければ考慮ふようです。)
すなわち財産評価額のおおよそ半分の財産が渡るケースですとほぼ相続税はかからないで済むのにそれ以外に財産がわたると相続税がかかってしまうケースもでてきます。
これは配偶者控除の規定及び小規模宅地等の特定などの税額軽減の定番規定がそろって使えなくなるからです。(または一部に限定してしか使えなくなります。文面からは、同居していないし生計をいつにしていないと推定されますので、おそらく居住用財産に関しては全面的に使えないとおもわれます。)
[参考]①や②とが問題の趣旨からした的を得ているとおもわれますが、ちょっと亜流の方法もご参考までに掲げておきます。(あくまで参考レベルの話です。)
1/3が事務所(現在では親の不動産所得の対象)として使われているとのことですので、ここに着目する場合の方法ですが、法人を作りこの法人にこの財産の全部または一部の移転をしてしまうという方法もあります。
これは財産が法人に移った時点で相続(=争続)の問題がほぼ消えてしまう点にメリットがあります。
賃貸料収入部分のみを法人に移転すると、後はこの法人から各関係人への適宜な配当(役員報酬や給与や地代あるいは一般の出資配当など)をすることで皆の合意が得られやすくなる為です。(→いわば争続の先送り処理)
このケースにあてはめますと居住用部分のみを残す方法と事務所部分を残す方法とさらに全体が法人に移る方法とが考えれます。
最後に再婚した後妻のことも十分に念頭においてあげてくださいませ。(ことに居住面や生活面などについて)
以上、ご参考までに。
こんにちは
福岡の県庁前FP事務所の前原ともうします。
主題の目的ですが『不動産だけは長男に渡るようにしたい』ということですね。
この一点に絞れば、対策としてまずは考えられるのはkg7_1976(神奈川)さまもあげておられる方法の2点があげられます。
すなわち、①相続時精算課税制度の利用、ないし②遺言書の作成、となるでしょう。
②の遺言書の作成での問題点ですが、ほとんどの皆さまが悩まれる問題点すなわち“遺留分の問題”があります。
⇒これは対策としては、遺言書に、まず一項に“当該不動産を長男に遺贈する”旨を記載し、そして二項(ないし三項)に“遺留分を侵害する分は現金をもって精算する”旨を記載しておけば問題は解決します。
さらに、通常では三項あたりに実際の遺言の内容の執行者を指定してこれを記載いたします。
例として専門家であれば弁護士・行政書士・司法書士・税理士などをここで指定しますが、仮に相続人であっても一応可能とはなっております。
①の相続時精算課税制度を使う方法は手っ取い早い方法の一つかといえます。
具体的方法としては、私もkg7_1976(神奈川)さまが考えれておられる通常の売買契約による方法とこの精算課税制度との両面作戦が無難な方法だと考えます。
但し注意すべき点があり一度特定の者に対して精算課税制度を適用してしまうとそれからは一般の贈与(暦年課税制度)の制度は使えなくなってしまう点です。
すなわちそれ以降ではkg7_1976(神奈川)さまが掲げておられます『3』による暦年贈与制度との併用方法はできなくなってしまうものと思われます。
それから、この制度の基本的性格はその名のとうり実際の相続時には精算しなければならない点がありますのでこれも検討しておく方をおすめいたします。
すなわち実際の相続時に精算課税財産も含めて(暦年課税贈与は前3年に限定されますが)相続財産全財産について計算しなおす仕組みとなっております。
また注意すべき点にかなり相続財産があるケースで配偶者以外に財産が渡るケースです。(そそもそもそれほどの相続財産がなければ考慮ふようです。)
すなわち財産評価額のおおよそ半分の財産が渡るケースですとほぼ相続税はかからないで済むのにそれ以外に財産がわたると相続税がかかってしまうケースもでてきます。
これは配偶者控除の規定及び小規模宅地等の特定などの税額軽減の定番規定がそろって使えなくなるからです。(または一部に限定してしか使えなくなります。文面からは、同居していないし生計をいつにしていないと推定されますので、おそらく居住用財産に関しては全面的に使えないとおもわれます。)
[参考]①や②とが問題の趣旨からした的を得ているとおもわれますが、ちょっと亜流の方法もご参考までに掲げておきます。(あくまで参考レベルの話です。)
1/3が事務所(現在では親の不動産所得の対象)として使われているとのことですので、ここに着目する場合の方法ですが、法人を作りこの法人にこの財産の全部または一部の移転をしてしまうという方法もあります。
これは財産が法人に移った時点で相続(=争続)の問題がほぼ消えてしまう点にメリットがあります。
賃貸料収入部分のみを法人に移転すると、後はこの法人から各関係人への適宜な配当(役員報酬や給与や地代あるいは一般の出資配当など)をすることで皆の合意が得られやすくなる為です。(→いわば争続の先送り処理)
このケースにあてはめますと居住用部分のみを残す方法と事務所部分を残す方法とさらに全体が法人に移る方法とが考えれます。
最後に再婚した後妻のことも十分に念頭においてあげてくださいませ。(ことに居住面や生活面などについて)
以上、ご参考までに。
大変ご丁寧なアドバイス、感謝致します。
+αのご提案までいただき、恐縮です。
相続時精算課税制度を利用した後は、年間110万円(通常の贈与)はできないことを考慮しておりませんでしたので、再考してみます。
遺留分を心配するくらいであれば、現実的に子が親に支払える金額から検討し、極力売買契約で渡す分を多くしてしまおうと思いました。
(土地は売買契約にて10年の分割払い、建物は相続時精算課税制度を利用し10年後に贈与、この10年間に何かあった場合のことを考え、遺言も併用)
実際には、抵当権が設定されている不動産ですので、金融機関に相談をすれば当然に長男にも連帯保証人になることが要求されます。
これを避けるために、例えば公正証書で売買契約を結び、支払い額や回数を明記し、その支払いが完了した時点で所有権の移転登記をする旨についても記載すれば、例えば10年後に支払いが完了した際に所有権を移転登記しても、贈与にはならないと思ってよろしいのでしょうか。
また、支払い途中に親が亡くなった場合、残債は団信で消滅するので心配しておりませんが、息子との売買契約で息子が支払った分に関してはすでに息子の物として、相続時の親の財産からは抜けると思ってよろしいのでしょうか。
質問重ねてしまいあつかましい限りですが、ご教授いただければ幸いです。
+αのご提案までいただき、恐縮です。
相続時精算課税制度を利用した後は、年間110万円(通常の贈与)はできないことを考慮しておりませんでしたので、再考してみます。
遺留分を心配するくらいであれば、現実的に子が親に支払える金額から検討し、極力売買契約で渡す分を多くしてしまおうと思いました。
(土地は売買契約にて10年の分割払い、建物は相続時精算課税制度を利用し10年後に贈与、この10年間に何かあった場合のことを考え、遺言も併用)
実際には、抵当権が設定されている不動産ですので、金融機関に相談をすれば当然に長男にも連帯保証人になることが要求されます。
これを避けるために、例えば公正証書で売買契約を結び、支払い額や回数を明記し、その支払いが完了した時点で所有権の移転登記をする旨についても記載すれば、例えば10年後に支払いが完了した際に所有権を移転登記しても、贈与にはならないと思ってよろしいのでしょうか。
また、支払い途中に親が亡くなった場合、残債は団信で消滅するので心配しておりませんが、息子との売買契約で息子が支払った分に関してはすでに息子の物として、相続時の親の財産からは抜けると思ってよろしいのでしょうか。
質問重ねてしまいあつかましい限りですが、ご教授いただければ幸いです。
2011.09.03
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さいたま新都心でFP事務所を開業しております株式会社VLIPの井上と申します。
不動産には詳しくないFPですが、少し気になる点を記載します。
この不動産の評価、その他お持ちの金融資産はどのくらいおありに
なるのでしょうか?
それによっていろいろな対応が考えられます。
特定の財産を、特定の人に渡していく常套手段は下記の二つがあります。
①譲渡
②信託
②の信託は亡くなられた後に財産がご希望通りに渡る方法。
信託銀子等に依頼することになりますが、日本では信託銀行の手数料が
高いので、米国で信託を作成する方もいらっしゃいます。
手数料は一桁安いです。
また、①譲渡については債務つき譲渡という形ををとれば、土地の路線
科評価+建物の固定資産評価額からローン残高を引いたがくになります
から2,500万の範囲に収まるかもしれませんね。
所有権が移った後返済はどうするか?こんなことも考えられます。
返済金額は、特に110万(非課税)にこだわらなくても、ご資金的に可能
ならばご長男、ご長男に奥様・子供さんがいらっしゃれば、それぞれに300
万程度贈与されれば2~3年でローンの返済額が10%の贈与税率で渡ります。
ご興味がありましたらご相談は何時でもお受けしますので、
メッセージボードなどで直接ご質問ください。
(受付担当スタッフ伊勢谷まで)
不動産には詳しくないFPですが、少し気になる点を記載します。
この不動産の評価、その他お持ちの金融資産はどのくらいおありに
なるのでしょうか?
それによっていろいろな対応が考えられます。
特定の財産を、特定の人に渡していく常套手段は下記の二つがあります。
①譲渡
②信託
②の信託は亡くなられた後に財産がご希望通りに渡る方法。
信託銀子等に依頼することになりますが、日本では信託銀行の手数料が
高いので、米国で信託を作成する方もいらっしゃいます。
手数料は一桁安いです。
また、①譲渡については債務つき譲渡という形ををとれば、土地の路線
科評価+建物の固定資産評価額からローン残高を引いたがくになります
から2,500万の範囲に収まるかもしれませんね。
所有権が移った後返済はどうするか?こんなことも考えられます。
返済金額は、特に110万(非課税)にこだわらなくても、ご資金的に可能
ならばご長男、ご長男に奥様・子供さんがいらっしゃれば、それぞれに300
万程度贈与されれば2~3年でローンの返済額が10%の贈与税率で渡ります。
ご興味がありましたらご相談は何時でもお受けしますので、
メッセージボードなどで直接ご質問ください。
(受付担当スタッフ伊勢谷まで)
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参考にさせていただき、再度検討してみます。
相続財産も評価する必要がありそうですので、確認してみます。
ご丁寧なお返事、ほんとうにありがとうございます。