順ザヤと保険の手数料について検証

2013.12.10

先日の続きです。
生保5社が先月終わりに順ザヤに転じとの報道があったと伝えましたが、
今日は順ザヤと保険の手数料について見て頂きます。 


順ザヤになった多くの保険会社は、どこも保険料を10%以上値上げしていました。


ところで銀行は、とうの昔にバブル期の債務不履行は解消しているのに保険会社は、ようやく最近になって順ザヤに転じ始めました。この差は何にあると思いますか?


生保の一般試験の教科書に「保険は90%以上が国債など安全性の高い商品で運用されている」と書いて有ります。保険の中味が90%以上国債などの安全性の高い商品で運用されていたならばバブル崩壊以前に保険会社が扱った貯蓄性の高い保険が銀行預金よりも金利が高くなる道理がないのです。
保険は病気や死亡・損害というリスクを抱えていますからその分銀行預金よりも更に金利が低くなる筈です。


ところが当時の保険外交員は、銀行預金よりも金利が高いからと勧誘していました。

要するに保険会社は国債だけではなく株式や債券・不動産等々といったリスク商品でも運用していたということですね。


ところが保険会社はお客さんに契約の時に高い金利を約束してしまっています。
保険会社の人がよくいうお宝保険というものですね。
この保険が有るから保険会社は一向に逆ザヤが解消されないために保険外交員にFPの資格を取らせて
保険の見直しをしますと言って金利の低い保険に替えさせていたのです。
この方法はアメリカのFPが初期に行っていた方法です。

 

話しは変わりますが、企業が経営不振に落ちた時商品の値段を上げますか?
あなたの会社はどうですか?
あなたの会社のマイナス分をお客さんに負担して貰いますか?

先ず、社内で無駄なコストは無いか見ると思います。


ところが保険会社は自社でコスト削減せずに契約者に負担を強いているのです。
金利の低い商品に乗り換えさせたのもそうです。
今回保険料を10%以上値上げしたのもそうです。

保険外交員や代理店が受け取る手数料をファンドぐらいの手数料にしていたなら当の昔に逆ザヤなど解消されていたと思いますよ。
今回の保険料値上げも、保険外交員や代理店に出す手数料をファンドの手数料並みにすればお客さんに保険料負担を強いらなくても良いはずです。

ところが政府は、金融審議会で保険会社は手数料を示さなくても良いことにしました。
中立公正も禁止にはなりませんでした。
中立公正の立場でと言って商品を勧めた場合にはその根拠を説明するようにとの内容になりました。
これで本当に不正が解消されると思いますか?
おそらく彼らは保険外交員や代理店向けに根拠のマニュアル本を作ると思いますよ。


昔から自民党政府は保険会社に甘い。
自民党政府は国民よりではなく保険会社よりと思っています。
安倍政権が保険会社よりなのは何を意味すると思いますか?
考えてみてください。



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