日経新聞読み方講座【初級編②】『日本国内の景気指標を知ろう』

2012.08.07

 前回に続き、日経新聞読み方講座第二弾。今回は、景気指標部分から「日本国内の指標」について解説していきたいと思います。日本経済新聞朝刊では、毎週月曜日(祝日の場合には翌日火曜日)の16面あたりに【景気指標】が掲載されています。【景気指標】の左部分には『国内』と記載のある部分があります。ここには、日本の重要な景気指標・経済指標が掲載されています。この部分を見ることで、現状日本の経済状況はどうなのか、過去と比べてよいのか悪いのか、どんな産業が調子が良いのかなどを把握することができます。初級編ですので、細かい部分は省いて、主な掲載内容とその指標の意味について解説します。





日本国内の景気指標解説


景気指標「国内」部分を見ると、数多くの指標が掲載されています。ここではその中でも、是非皆様に見ていただきたい主な指標<その1>について解説します。




国内総生産


景気指標の一番左上に、「国内総生産」が掲載されています。国内総生産とは、「ある地域で、ある一定期間に生み出された付加価値の総額」を示します。簡単に言えば、通常1年間で、最終的に国内で産み出されたものを合計したものを意味します。

国内総生産はGDPともいわれ、各国の経済の規模を比較する際にも用いられます。わが国の場合、世界第三位の規模を誇っています。

2012年8月6日(月)16面を見てみると、名目と実質という2つの種類のGDPが記載されています。名目と実質の違いは、物価を反映しているかどうかです。物価を考慮して算出されたのが実質GDPになります。例えば、新聞を見ると、2011年度の名目GDPは469.9兆円、実質GDPは511.1兆円となっています。実質GDPの方が大きくなっています。これは、2005年基準において8~9%のデフレが生じているためと想定されます。また、469.9(▲2.0)というように、(  )で記載の部分があります。これは、前年度に比べて何%増減したか(例だと2.0%下落)を表しています。この増減率は、経済成長率と呼ばれています。

その他、2011年度以降のGDP部分を見てみると、※印の記載があります。※印は、速報値を示しています。その後、確定値が公表され次第、数値は変わることになりますが、株価などには速報値が影響を受けることになります。




<2011年度のGDP(出所)内閣府>


名目469.9(▲2.0)  実質511.1(▲0.0)



<2012年1~3月>


名目475.1( 4.9)  実質518.0( 4.7)




<ポイント>


名目>実質・・・インフレが生じていることが分かる

実質>名目・・・デフレが生じていることが分かる



続いて、消費支出2人以上世帯前年比です


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