日経新聞読み方講座【初級編②】『日本国内の景気指標を知ろう』

2012.08.07


消費支出2人以上世帯前年比


 GDPの動きと似たような動きに、「消費支出2人以上世帯前年比」があります。これは、景気指標の第三段目の部分に掲載されています。GDPの増加率(経済成長率)は、景気が良いほど高くなる傾向にありますが、消費支出2人以上世帯前年比も景気動向に左右される側面が強いため、同じような動きになると想定されます。


また、GDPを支出面から捉えると、わが国のGDPの6割前後を消費が占めているところからも、消費支出の動きはGDPと相関性が高いといえます。実際に並べてみてみると、例えば2010年度の消費支出は対前年比で0.3%増に対し、2010年度の名目GDPは1.1%増。2011年度の消費支出は対前年比で2.2%減に対し、2011年度の名目GDPは2.0%減。かなり似たような動きとなっていますよね。直近の数値ですと、消費支出は2012年4月+2.6%、5月+4.0%、6月+1.6%。前年と比べると底堅い動きとなっています。これは、GDP統計にも反映されることになるでしょう。つまり、前年よりも経済規模は大きくなっており、今年は悪くない年であると判断することができるわけです。




<消費支出2人以上世帯前年比(出所)総務省>



2010年度   0.3 (2010年度の名目GDPは+1.1%)

2011年度  ▲2.2 (2011年度の名目GDPは▲2.0%)

2012年1月 ▲2.3

2012年2月  2.3

2012年3月  3.4

2012年4月  2.6

2012年5月  4.0

2012年6月  1.6


 


まとめ


 今回は、景気指標部分の「国内総生産」及び「消費支出2人以上世帯前年比」を見てきました。わが
国のGDPの規模は、名目で470兆円前後、実質で510兆円前後です。これだけの規模をもつ国は世界
でも数えるほどしかありません。ただ、残念なことに、GDPは伸び悩んでいるのが現状であり、経済
成長率は芳しくありません。




また、GDPと似たような動きとなるものとして、消費支出を挙げました。この動向を見れば、家計の財布のひもがゆるくなっているのがどうかの判断ができます。また、国全体としての経済がどのよう
な方向に動きそうかも流れは掴むことができるといえます。まずはこの2つの指標を新聞で見てみまし
ょう。




次回もシリーズものとして、日本経済新聞の読み方講座を展開していきます。

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