老後の年金の受取額を増やす4つの方法

2017.02.17

年金が不安…と言われていますが、その年金。これ自体の知識は持っておいても損はないと思います。

老後の年金(正しくは、老齢年金といいます)の受取額を増やすための方法をお伝えしようかと思います。


 




老齢年金を増やす方法


それでは、本題の老齢年金を増やす方法についてお話ししたいと思います。 ここでは、4つだけお話ししたいと思います。


(1) 第一号被保険者(自営業の方)が年金を増やす方法
(2) 60歳を過ぎてから年金を増やす方法
(3) 保険料を負担しなくても年金額を増やす方法
(4) 第2号被保険者(サラリーマン)が年金を増やす方法


それでは、一つ一つ見ていきましょう。


(1) 自営業の方の年金を増やす方法


 


国民年金基金の活用


「 国民年金基金に加入する」です。

CMでご覧になったこともあるかもしれませんね。

国民年金に上乗せして厚生年金に加入しているサラリーマンなどの給与所得者と、国民年金だけにしか加入していない自営業者などの国民年金の第1号被保険者とでは、将来受け取る年金額に大きな差が生じます

この年金額の差を解消するための自営業者などの上乗せ年金を求める強い声があり、出来たものだそうです。

掛金の増額や減額も可能で(上限は6万8,000円)、掛金自体は全額所得控除になる、などのメリットもあります


付加年金の利用


「付加年金」とは、国民年金の保険料と一緒に「付加保険料」を納付し、老齢基礎年金を もらい始めるときに一緒にもらうことができる加算年金です。

1か月400円の保険料を納めると、「保険料を納めた月数×200 円」の年金を受け取ることができます。

保険料と年金 額は定額で、国民年金の保険料のように保険料の引き上げがない反面、基礎年金とは違い、年金額が物価や賃金の上昇に合わせて上昇することもありません。

【例】

例えば、国民年金の加入と同時に付加保険料を納め始めて、40年間納め続けたとすると、

納める保険料の総額は


400円×12か月×40 年=19万2,000 円


になります。この場合、付加年金として受け取る1年間の年金は


200円×12か月×40 年=9万6,000 円


になり、1か月あたり 8,000 円年金額が上乗せされます。上記の場合、2年間で受け取る付加年金は


9万6,000 円×2年=19万2,000 円


2年で元が取れる年金と言われています。ただ、自営業者のみとなりますので注意してください

自営業の方にとっては、国民年金基金とは違い、金額も小さいので始めやすいかもしれません。


(2) 60歳を過ぎてから年金額を増やす方法


 


任意加入する


60歳から最大5年間にわたって引き続き国民年金に加入できる制度があります。

自営業だった方でも、サラリーマンだった方でも全員加入することができる制度です

保険料は第1号被保険者と同額の保険料となります

【例】

たとえば60歳から5年間任意加入した場合、保険料を1万5,000 円として考えると(例でみており、実際の額とは若干異なります)


1万5,000 円×12か月×5年間=90万円


基礎年金額×(60までに保険料を納めた月数+任意加入の月数)/480 月 となりますので、確実に受取額は上昇するのです。

たとえば平成28年4月からの基礎年金額(満額)は78万100円です。 それとこれまで 400か月年金を納めていた方が、任意加入で60月加入月数を増やすと


78万100×(400 月+60 月)/480 月=74万7,596 円


となります。その後の80歳まで生きるとしたら、任意加入しなければ400月分で計算すると


78万100円× 400月/480月=65万83円


これを65歳から80歳まで受け取るとすると、


65万83円×15 年間=975万1,245円

です。

任意加入すると460 月で計算するので


78万100円×(60月+400月)/480月=74万7,596円


これを65歳から80歳まで受け取るとすると、


74万7,596円×15 年間=1,121万3,940円


払った保険料は約90万円なので、差額を計算すると任意加入した時としない時の差額は、


1,110万8,985円-975万1,245円=135万7,740円


そこから任意加入で支払った保険料を差し引くと


135万7,740円-90万円=45万7,740円


45万7,000円ほど得になる!

ということです。(保険料は計算しやすいように1万5,000円で計算しています)

60歳になってからもあきらめなくてよいということですね。

年金受給期間が足りない方もこの方法で、年金受給期間を満たすこともできます。その場合、受給期間を満たすための加入については、70歳まで加入できます。






(3) 保険料を支払うことなく年金額を増やす方法


 


年金を繰り下げて受け取る


65歳から支給される年金を65歳で受け取らないで、送らせて受け取る、という方法もあります。

70歳まで繰り下げて受給することが最大可能となります。

満額が28年4月時点で78万100円ですが、月数に応じて1か月0.7% 最大5年間で42%となります。

【例】

たとえば5年間繰り下げて、80歳まで生きると考えると…(70歳から受け取る、ということで考えると)

年間受取額は78万100円→ 110万7,742円となり、年間の受取額の差は「32万7,642円」です

受け取る期間が10年間なので、1,107万7,420 円となります。やはりかなりの増額となりますね。


65歳から受け取るのと比較します


【65歳から15年間「老齢年金」を受け取る場合】


78万100円×15年間 → 1,170万1,500円


【70歳から15年間「老齢年金」を受け取る場合】


110万7,742円×15年間 → 1,661万6,130円


年金の性格上、終身年金といい、生きている限り年金が受給できるので、 長生きするほどこの方法は有利に働くと考えられます。

健康がすごく大切、ということを感じます。あなたも「元気で長生き」できるように気をつけてくださいね。


(4) 会社員が年金額を増やす方法



60歳を過ぎてからも仕事を続けた場合、引き続き厚生年金に加入することになり、 そうすることで、年金の加入期間が長くなるため、それだけの年金額が増えることになります。

ただ60歳からの老齢厚生年金を受け取っている場合でも、厚生年金に加入していれば 保険料負担はあるので、仕事を続ける間は給与や賞与の額により、年金の一部または全部が支給停止になることもあります

あらゆるパターンがあるため、一概には言えませんが、これが反映されるのは、


・ 仕事を退職したとき
・ 仕事を継続している場合は65歳到達時点と70歳到達時点となります。

 


最後に





以上が私たちが加入している老齢年金の受取額を増やす方法となります。

いろいろ計算も入れながらご説明しましたが、物価の変化等により額は変化します。

今の日本は、超低金利に加えて、社会保険量が増加していることにより、手取り給与の減少や円安などの影響による物価上昇などなど、家計に与える影響がますます増えてきているように感じます。

今も将来も安心して暮らしていくためには、自助努力は不可欠です

改めて貯蓄や家計を確認して、今も将来も安心家計を目指して、備えていく必要があると言えます。(執筆者:阿久津 和宏)

カテゴリ: 資産運用(27)住宅ローン(40)貯蓄の仕方(4)子育て(6)保険(10)老後・年金・セカンドライフ(8)その他・時事(53)

このコラムの執筆者
阿久津 和宏

阿久津 和宏

あくつFP事務所

埼玉県熊谷市石原641-3

得意分野:今と将来の不安解決のお手伝い




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