債券を利用した元本保証での資産運用

2015.09.27

トレジャリーゼロという債券を聞いたことがあるでしょうか?


アメリカ国債の一形態なのですが、普通の債券とは少し仕組みが違います。


普通の債券は、債券に書かれている額面のお金を償還期限になったら返して、その間は金利を支払うという仕組みのものです。


トレジャリーゼロは違います。所有期間の利子は支払われません。
その代わり、債券の額面金額よりも安い金額で買うことができます。


現在(2015年9月)の金利ですと、償還期間まで10年ほどのものなら、額面価格100$あたり80$程度で購入可能です。基本的に償還までの期間が長いほど利回りがアップします。


さて、今回はこのトレジャリーゼロを使った(ドル建てでの)元本保証が行える投資戦略について紹介してみたいと思います。


まあ、ご大層なことを述べていますが仕組みとしてはそんなに上等なものではありません。


まず、このトレジャリーゼロの特徴として、額面金額より安い価格で購入できるという利点があります。
今回は仕組みは、その利点を使用しています。


例えば、1万$の資金があったとします。
これは10年後に使用することが決まっている為、元本を減らすことはできません。 
そこで、償還期限が10年程度あるトレジャリーゼロ額面1万$分を8000$で購入します。
これで10年後には1万$が返ってくることが決まりました。元本が保証されましたね。


でも、1万$-8000$でまだ手元には2000$残っています。
 あとは、この2000$を株式等に振り分けても額面上は損をしないということです。


もちろん、この元本保証はドル建てになってしまうので、為替リスクが発生します。


運用の途中で資金が必要になった場合、トレジャリーゼロを債券市場で売却することになるので、金利動向によっては元本割れを起こす可能性もあります。 


このやり方も、自分オリジナルというわけではありません。
債券を利用した元本保証の仕組みとしてはかなり定番のものになります。


この手法は、アメリカの金利が高いほど、手元に残せる金額が増えるのでかつては盛んに行われていました。
最近は、金利が低いのであまり旨味が無くなっていましたが、アメリカの金利上昇が年内にも行われるのでは?という観測が高まっております。


また旨味が復活する可能性が出てきましたので、投資の際の選択肢の一つに加えていただければ幸いです。 

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