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FPの回答
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木村太治(リベルタ経営相続研究所)
滋賀県2021.07.03
いくらさん
滋賀県近江八幡市でFP事務所を開設しています「リベルタ経営相続研究所」の木村と申します。
よろしくお願いします。
さて、既にご承知かと思いますが、国民年金は、20歳から60歳までの40年間の納付済み期間(満期間)があれば、月額65,075円(令和3年度)受け取れます。
しかし、納付済み月数が480月に満たない場合や減免を受けている場合は、所定の計算式により減額されます。
減額を避けるには、免除や納付猶予期間があれば、10年遡って納付できます。また、免除や納付猶予でない未納の場合は、2年遡って納付できます。
該当期間があれば、この機会に納付された方が良いと思いますが、猶予や未納の期間が入り組んでいるようですので、正確には年金事務所にご相談ください。
次に、国民年金を増やす方法ですが、国民年金の枠内では、4点考えられます。
まず、第1点目は、「付加年金」に加入する方法です。
付加保険料は400円/月で、区役所や市町村役場、または年金事務所の窓口で申し込んでください。付加保険料を納付すると、将来の老齢基礎年金に年額で付加年金(200円×付加保険料納付済月数)が上乗せされます。
2年間年金を受ければ、元が取れるので有利かと思いますが、金額としては、そう多くありません。
また、次の国民年金基金加入中は、納付(加入)できません。
第2点目は、「国民年金基金」に加入する方法です。
加入は口数制で、何口加入するかによって将来の給付額が決まります。一口あたりの掛金は加入時の年齢や性別、選択した給付の型で決まります。最大掛金は、月額6万8,000円です。
なお、国民年金の保険料が未納や猶予の場合、加入できませんので、注意が必要です。
第3点目は、国民年金の「任意加入制度」の利用です。
国民年金は、本来、60歳で加入期間が終了しますが、任意加入制度は、免除や未納で加入期間が満額にならない場合、本人の申し出により「60歳以上65歳未満」の5年間(全ての納付月数480月まで)、国民年金保険料を納めることで、65歳から受け取る国民年金(老齢基礎年金)を増やすことができる制度です。国民年金は、これを活用して増やす方法があります。
第4点目に、年金の「繰り下げ受給」があります。少し年をとっても、自営業として働いて生活が維持できるようでしたら、活用を考えられたらどうでしょう。
繰り下げ受給の特徴としては、1カ月遅らせるごとに本来の年金額の0.7%分が増額されます。来年4月以降に70歳を迎える人は、最長75歳まで繰り下げできるようになります。75歳まで繰り下げた場合には、年金額が84%増えることになります。
これの有利不利は、どれだけ長生きできるかにかかっています。
また、国民年金の枠外としては、小規模企業共済、イデコの活用があります。
小規模企業共済は、掛け金月額上限が7万円ですが、掛け金が所得控除となるので、所得税、住民税の圧縮につながります。
この共済の老齢給付は、65歳以上となります。また、15年以上の掛金納付が必要となります。
イデコは、運用商品を自分で選び、成績次第で受取額が変わる確定拠出年金です。これも小規模企業共済と同様、税制上のメリットがあります。
税制上や長期、積立の優位性を生かすため、預金系での運用ではなく、私は、世界経済に投資するインデックス型投資信託が有利ではないかと考えています。(運用の最終決定は、自己責任でお願いします。)
また、国民年金基金の掛金と合わせて月額6万8,000円が限度額である点にご注意ください。
次に、メリットのある就業形態ですが、会社員や経営者となれば、厚生年金に加入できるので、国民年金より年金額が多くなるので有利です。会社員となれば、保険料の2分の1を会社が法定福利費として負担してくれるメリットがあります。ただ、会社員ですので、今までと異なる堅苦しさははあるかもしれません。
最後に、今の仕事で大きく利益が出ている、出そうな場合、法人成りという方法があります。今の仕事を会社組織にして、役員として厚生年金や小規模企業共済に加入します。仕事の実態は変わらず、社会保障のメリットを受けることができます。
家族が役員であれば、所得が分散し、累進課税上、税率が低くなりますし、給与所得控除も活用できます。
一方し、法人にすると、利益が出ていなくとも法人住民税均等割が必要となります。また、設立のコストに加え、毎年、経理や税務の費用もかかり、トータルで損をすることもあるので、十分、考慮する必要があります。
最後に、老後を心配するあまり、さまざまな制度に加入し、そのため暫くして、生活が回らなくなり、後悔する事態に陥ることもあります。
現在の生活の維持を考えた上で、老後の生活のためのお金の配分も重要な視点です。
いくらさんに適した具体の方法については、現状の資料をもって、お近くのFPに相談されてはどうでしょう。
以上、参考にされてください。
滋賀県近江八幡市でFP事務所を開設しています「リベルタ経営相続研究所」の木村と申します。
よろしくお願いします。
さて、既にご承知かと思いますが、国民年金は、20歳から60歳までの40年間の納付済み期間(満期間)があれば、月額65,075円(令和3年度)受け取れます。
しかし、納付済み月数が480月に満たない場合や減免を受けている場合は、所定の計算式により減額されます。
減額を避けるには、免除や納付猶予期間があれば、10年遡って納付できます。また、免除や納付猶予でない未納の場合は、2年遡って納付できます。
該当期間があれば、この機会に納付された方が良いと思いますが、猶予や未納の期間が入り組んでいるようですので、正確には年金事務所にご相談ください。
次に、国民年金を増やす方法ですが、国民年金の枠内では、4点考えられます。
まず、第1点目は、「付加年金」に加入する方法です。
付加保険料は400円/月で、区役所や市町村役場、または年金事務所の窓口で申し込んでください。付加保険料を納付すると、将来の老齢基礎年金に年額で付加年金(200円×付加保険料納付済月数)が上乗せされます。
2年間年金を受ければ、元が取れるので有利かと思いますが、金額としては、そう多くありません。
また、次の国民年金基金加入中は、納付(加入)できません。
第2点目は、「国民年金基金」に加入する方法です。
加入は口数制で、何口加入するかによって将来の給付額が決まります。一口あたりの掛金は加入時の年齢や性別、選択した給付の型で決まります。最大掛金は、月額6万8,000円です。
なお、国民年金の保険料が未納や猶予の場合、加入できませんので、注意が必要です。
第3点目は、国民年金の「任意加入制度」の利用です。
国民年金は、本来、60歳で加入期間が終了しますが、任意加入制度は、免除や未納で加入期間が満額にならない場合、本人の申し出により「60歳以上65歳未満」の5年間(全ての納付月数480月まで)、国民年金保険料を納めることで、65歳から受け取る国民年金(老齢基礎年金)を増やすことができる制度です。国民年金は、これを活用して増やす方法があります。
第4点目に、年金の「繰り下げ受給」があります。少し年をとっても、自営業として働いて生活が維持できるようでしたら、活用を考えられたらどうでしょう。
繰り下げ受給の特徴としては、1カ月遅らせるごとに本来の年金額の0.7%分が増額されます。来年4月以降に70歳を迎える人は、最長75歳まで繰り下げできるようになります。75歳まで繰り下げた場合には、年金額が84%増えることになります。
これの有利不利は、どれだけ長生きできるかにかかっています。
また、国民年金の枠外としては、小規模企業共済、イデコの活用があります。
小規模企業共済は、掛け金月額上限が7万円ですが、掛け金が所得控除となるので、所得税、住民税の圧縮につながります。
この共済の老齢給付は、65歳以上となります。また、15年以上の掛金納付が必要となります。
イデコは、運用商品を自分で選び、成績次第で受取額が変わる確定拠出年金です。これも小規模企業共済と同様、税制上のメリットがあります。
税制上や長期、積立の優位性を生かすため、預金系での運用ではなく、私は、世界経済に投資するインデックス型投資信託が有利ではないかと考えています。(運用の最終決定は、自己責任でお願いします。)
また、国民年金基金の掛金と合わせて月額6万8,000円が限度額である点にご注意ください。
次に、メリットのある就業形態ですが、会社員や経営者となれば、厚生年金に加入できるので、国民年金より年金額が多くなるので有利です。会社員となれば、保険料の2分の1を会社が法定福利費として負担してくれるメリットがあります。ただ、会社員ですので、今までと異なる堅苦しさははあるかもしれません。
最後に、今の仕事で大きく利益が出ている、出そうな場合、法人成りという方法があります。今の仕事を会社組織にして、役員として厚生年金や小規模企業共済に加入します。仕事の実態は変わらず、社会保障のメリットを受けることができます。
家族が役員であれば、所得が分散し、累進課税上、税率が低くなりますし、給与所得控除も活用できます。
一方し、法人にすると、利益が出ていなくとも法人住民税均等割が必要となります。また、設立のコストに加え、毎年、経理や税務の費用もかかり、トータルで損をすることもあるので、十分、考慮する必要があります。
最後に、老後を心配するあまり、さまざまな制度に加入し、そのため暫くして、生活が回らなくなり、後悔する事態に陥ることもあります。
現在の生活の維持を考えた上で、老後の生活のためのお金の配分も重要な視点です。
いくらさんに適した具体の方法については、現状の資料をもって、お近くのFPに相談されてはどうでしょう。
以上、参考にされてください。
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