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FPの回答

  • 松葉賢治(相続相談室マルクス)

    群馬県

    2021.01.20

お答えします。
限られた情報の中においての回答なので、不十分となる点はご容赦ください。

ご主人がお亡くなりになると、預金口座はもちろんのこと、すべての財産において相続手続きが発生します。
その手続きの際に、ご主人が出生から亡くなるまでの戸籍謄本が必要です。
それにより、相手にも誰が法定相続人なのかが明らかとなります。
そして法定相続人がうさぎさんと前妻の子と分かると、必ず「遺産分割協議書」の提出を求められます。
そこには、両者の署名と実印が必要です。
つまり、前妻の子と「遺産の分け方」についてきちんと話し合いをして、互いに納得をしていなければいけない、ということです。
(前妻の子が未成年の場合は、その親権者である前妻が「遺産の分け方」の場に登場することになります)

遺産の分け方は自由です。
お互いが納得さえすれば。
しかし民法で定められた遺産の法定相続割合は、前妻の子と半分ずつ。
したがって、先方が「すべての財産の半分を渡せ」と主張してくる可能性は大いにあります。
遺産がすべて現金のみでしたら、分けることに困りません。
しかしご主人の財産に、換金しずらいモノが含まれているとちょっと厄介です。
ご商売に関連するものや、法人格をお持ちなら自社の株式など。
それらをすべて合計した額の半分を渡す、ということになります。

また、別の視点から。
相続はプラスの財産だけではなく、マイナスの財産も引き継がなければなりません。
マイナスの財産、つまり借金です。

ご主人のご商売で借金はありませんか?
またはご主人は、会社が金融機関から借り入れた負債の連帯保証人になっていませんか?
取引先に買掛金はありませんか?
誰かの連帯保証人になっていませんか?
これらの負債も、ふたりで分け合うことになります。

相続をしたくなければ、相続放棄という方法で借金から逃れられます。
(ただし、相続発生から3か月以内に申請手続きをしないと、すべてを引き継ぐとみなされてしまいます)
相続放棄をすれば負債から逃れられますが、なにひとつ残りません。

前置きが大変長くなりましたが、
生命保険を使って相続対策をすることは、とても有効です。

前妻の子と遺産を分け合う際の現金の確保ができます。
またもしも相続放棄をしたとしても、生命保険金だけは必ず受け取れます。
(死亡保険金は受取人固有の財産といって、借金取りも手出しできません)

終身保険か定期保険がいいかの議論は、保険金の使う目的によって検討すべきでしょう。
それよりも、保障額(保険金の大きさ)について、よく考えるべきです。
ご主人がお亡くなりになったら、うさぎさんは何用の支払いにいくらないと困るのか?
その安心の期間は何年先まで必要なのか?

もしご主人の商売が法人格をお持ちでしたら、
商品にもよりますが、会社でかける定期保険はその掛け金が経費になります。
そんなことも、ひとつの選ぶ目安になるかもしれません。

繰り返しになりますが、保険選びのポイントは、
「何のために、いくらの安心を、いつまで」
という加入する目的をきちんと考えることです。

2021.01.20


ご丁寧にご回答頂きまして、ありがとうございました。
3点質問がございます。

ご主人がお亡くなりになると、預金口座はもちろんのこと、すべての財産において相続手続きが発生します。>
とのことでしたが、生命保険の受取人を私にしていた場合は、相続手続きの必要は無いという理解でよかったでしょうか?

又、

法定相続人がうさぎさんと前妻の子と分かると、必ず「遺産分割協議書」の提出を求められます。>とのことでしたが、遺言書を公正証書で作成すれば提出しなくてよいと伺いましたが、この理解は正しかったでしょうか?

ご主人の財産に、換金しずらいモノが含まれているとちょっと厄介です。>とのことですが、例えば不動産的な家に関しても財産分与しなければいけないのでしょうか?

お手数ですがどうぞ宜しくお願い致します。

2021.01.22


≫生命保険の受取人を私にしていた場合は、相続手続きの必要は無いという理解でよかったでしょうか?
いいえ、必要です。行うべき相続の手続きは数々あります。以下をご参考にしてみて下さい。
https://www.sbc-souzoku.com/pdf/list.pdf

≫遺言書を公正証書で作成すれば提出しなくてよいと伺いましたが、この理解は正しかったでしょうか?
遺言書の内容が「財産のすべてを妻に相続させる」という旨の内容でしたら、遺産分割協議書は必要ないでしょう。
しかし、遺言書で指定されたものが一部の財産だけなら、その他の財産の相続手続き時には必要です。
例えば、クルマの売却や名義変更時にも必要となります。

ちなみに、前妻の子には「遺留分」といって、法定相続分の半分、つまり1/4は必ず受け取れる権利を有しています。
したがって、「すべてを妻に相続させる」という遺言書があっても、前妻の子から遺留分の請求をされたら、その割り合い分を金銭で渡す必要がありますのでご注意ください。

≫例えば不動産的な家に関しても財産分与しなければいけないのでしょうか?
おっしゃる通りです。
不動産は分けにくい財産の代表的なものです。
不動産・動産・現預金・有価証券など、すべての財産を現在価値の価額で算出して、前妻の子と分け合うことになります。

2021.01.22


お答え頂きまして、ありがとうございました。

> 前妻の子には「遺留分」といって、法定相続分の半分、つまり1/4は必ず受け取れる権利を有しています。

と回答頂きましたが、1/2と理解してたのですが、1/4が正しいのでしょうか?

お手数ですがどうぞ宜しくお願い致します。

2021.01.25


はい、1/4です。
こちらの方が分かりやすく説明してくれています⇓
http://hiratsuka-souzoku.com/iryubun.html

例えば、ご主人の遺産総額が4000万円あったとします。
それをすべて、「自治体の○○市に寄付をする」という遺言書を残していたとします。
遺産の処分の仕方は本人の自由ですから、遺言書があればそれに従うことになります。
しかし、残されるご家族の心情はいかがなものでしょうか?
全額○○市に持っていかれるのは、やるせない気持ちになりませんか?
そういった遺族の心情を考慮して、最低限受け取れるものが遺留分です。
遺留分は1/2、それをうさぎさんと前妻の子と半分ずつ分け合うことになります(各人1/2×1/2=1/4)。
このケースで言えば、○○市が2000万円、うさぎさんが1000万円、前妻の子が1000万円となります。

2021.01.25


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